鼈甲(べっ甲)工芸につかわれる唯一の亀、タイマイ

鼈甲(べっ甲)の貴重な材料、玳瑁(タイマイ)の甲羅のしくみ

鼈甲(べっ甲)はタイマイという海亀の一種の甲羅(背甲13枚)・縁甲(爪甲25枚:この内4枚が眼鏡に使用)・腹甲(22枚)を巧みに加工・細工した製品の事を指します。タイマイは赤道近くに生息し、大きいものは甲羅の長さが1メートル・体重が100キロにもなります。又、甲羅は必ず13枚で、黒くなっている部分を斑(ふ)といいますが、斑以外の透明な部分は約10%しかなく、特に珍重されています。
タイマイの背中の甲羅は成長にともなって瓦状に重なっていきます。つまりタイマイの甲は木の年齢のように、紙1枚くらいの層が重なり合い、甲の厚みを形成しています。
これら1枚1枚の層の中には、コア(水分を通す管)があり、何十枚という厚みの甲があっても共通のコアは決してありません。さらに、タイマイの甲には保温力があり、温めると自由に曲がるという特性があります。この特性はコアのためであることが科学的に証明されています。こうしたことから、タイマイの甲(べっ甲)は、現在までのところ人工では作りえない、複雑な構造であることが証明されています。 
(参考資料:「江戸鼈甲」東京鼈甲組合連合会)
玳瑁(タイマイ)

タイマイの甲羅の説明

1.首甲 背甲の一番上の甲羅1枚。
2.背甲 亀の背の中心の甲羅で4枚。
3.舟甲 首甲の両脇に1枚ずつ計2枚。
4.本甲 背甲の両脇に2枚ずつ計4枚。
5.袖甲 本甲の両脇下に1枚ずつ計2枚。
首甲・背甲・舟甲・本甲・袖甲の色は淡黄色と暗褐色のはん紋があり、淡黄色が多いほど高価、甲羅の厚さは2~6mm。
6.爪甲 亀の横肚を保護する為の甲で背に面した方は黒色、肚に面した方は淡黄色(図2)で甲羅は25枚。
7.肚甲 亀の肚全体にある甲羅のこと。甲羅の厚さは1mm~1.5mm、色は淡黄色。
1~5 散斑(茨斑)、トロ甲、黒甲、上トロ甲等の主な材料。
6、7 白甲、オレンジ甲の主な材料。

【眼鏡フレームに使われる材料】
白甲、オレンジ甲は6-A(爪甲)、上トロ甲、黒甲など他の色は4(本甲)を主に使用。

甲羅の種類

鼈甲(べっ甲)は、その甲羅の色・斑(ふ)の入り方によって、大枠以下の通り分類されています。

カラーサンプル