古来より続く鼈甲細工の魅力とその所以 天然素材が工芸品へと昇華される 古来より続く鼈甲細工の魅力とその所以 天然素材が工芸品へと昇華される

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鼈甲の魅力 鼈甲の魅力
鼈甲の魅力
天然素材がもたらす独特のかけ心地と、鼈甲の魅せる様々な表情
鼈甲の魅力アロー

鼈甲の魅力

1636年に長崎から伝わりその飴色の神秘的な輝きと美しさが日本人の心をとらえ続ける「鼈甲細工」。希少なウミガメの甲羅が職人の手により生まれかわる、自然が育んだ美しい芸術作品です。軽くてフィット感が良く、人にやさしい鼈甲は眼鏡に大変適した素材でもあります。
大澤鼈甲は新しい技術を取り入れながら職人の経験と感性を頼りに製品を作り続け、「鼈甲細工」の魅力を最大限に引き出す眼鏡をお届け致しております。

鼈甲の魅力

鼈甲は自然ならではの奥深い艶と色合いが美しい天然の素材です。
ひとりひとりのお顔に合わせたフィッティングを行うことにより、鼈甲眼鏡ならではの掛け心地が生まれます。コラーゲン(ニカワ質)に非常に近い成分を多く含んでいるため肌触りがあたたかくしっとりとお顔にやさしくなじみます。天然素材のためアレルギーの心配がなく、どなたでも安心してお使いいただけます。
鼈甲眼鏡はタイマイの甲羅から型ごとに切り出したバラバラの素材を水と熱で圧着しながらつくります。そのため、テンプルが折れる等の破損が起きましても新しい鼈甲素材を補って修理をすることが可能です。
日常のお手入れや定期的な磨き、修理をしながら大切に扱うことで世代を超えて長くご使用いただけるのも鼈甲眼鏡の大きな魅力です。

鼈甲の魅力
とじる
タイマイ タイマイ
タイマイ
ウミガメの一種の玳瑁が、精緻な鼈甲細工となります。自然の恵みに感謝して。
タイマイアロー

タイマイの特長

タイマイはウミガメ類の中では中型の種で、大きいものは体重100キロ・甲長1メートルにも達します。他のウミガメ類とは異なり、その甲羅は厚く、美しい模様が特徴です。また比較的水深が浅い熱帯から亜熱帯の海洋に生息し、定着性があり、大きな移動や回遊は行わないとされています。
タイマイの甲羅は成長にともなって、紙1枚程の薄い層が瓦状に重なり、樹齢を重ねた年輪のように厚みを形成していきます。これら一枚一枚の層の中には、コア(水分を通す管)があります。このコアがあることによって、鼈甲は温めると自由に曲がるという特性を持っています。こうしたことから、タイマイの甲羅(鼈甲)は、現在までのところ人工では作りえない、複雑な構造であることが証明されています。

参考資料:「江戸鼈甲」東京鼈甲組合連合会

タイマイの特徴

タイマイの甲羅

タイマイの甲羅
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製造工程 製造工程
製造工程
手わざと機会を適材適所で用い、天然素材の持つ魅力を最大限に高めます。
製造工程アロー

生地取り 切り出し

甲羅や爪を糸のこで切り出し、肉厚を出すために何枚か重ねます。模様や色を合わせるには職人の確かな目が必要です。

生地取り 切り出し

荒削り やすりがけ

ガンギと呼ばれる大型のヤスリで、甲羅の傷んだ部分を荒削りしたものを布ペーパーやトクサ(植物の茎)等で滑らかにしていきます。

荒削り やすりがけ

張り合わせ

水と熱、圧力で張り合わせます。この時の温度、万力のちから加減で張り合わせの可否が決まる最も重要な工程です。

張り合わせ

中削り 成形

張り合わせたものをヤスリ・小刀・サンドペーパー等で形を整え、型に合わせて曲げをつけていきます。必要に応じて、張り合わせた部材を機械に取り付け切削も行います。

中削り 成形

仕上げ

動力回転の布バフに磨き砂を付けて下磨きを行い、さらに磨き粉と柔らかい布で丁寧に磨き光沢を出します。最後に金具を取り付け仕上げます。

仕上げ
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メンテナンス・修理 メンテナンス・修理
メンテナンス・修理
鼈甲眼鏡は修理が出来ることも、魅力のひとつです。日頃のメンテナンスで長くご愛用頂けます。
メンテナンス・修理アロー

鼈甲の取り扱い・
メンテナンスと修理について

日常のお手入れや定期的な磨き、修理をしながら大切な鼈甲眼鏡を長くお使い頂けることも鼈甲の大きな魅力です。

メンテナンスと修理について

取り扱い・メンテナンス

劣化の原因になるため、水洗い、超音波洗浄器のご使用は避けてください。

乾燥が亀裂の原因になりますので、冷暖房器具の近く等には置かないでください。

虫食いの恐れがあるため、防虫剤を(直接レンズに触れない様に)ご使用ください。

強い衝撃は破損の原因に繋がります。出来るだけ丁寧にお取り扱いください。

ご使用の後、また一日に数回は柔らかい布などで鼈甲表面を拭いて汗や皮脂等を取り除いて下さい。

鼈甲眼鏡の磨き、調整及びネジの状態は、定期的に点検をお受けください。

鼈甲眼鏡にコーティングを施した製品※のコートが剥離した場合、速やかに再処理をご用命ください。
※鼈甲眼鏡にウレタン樹脂系のコーティングを施した製品
コーティングは、弊社製品の再コート加工又は弊社新品に限らせて頂いております。

メンテナンス・修理

修理

弊社製の鼈甲眼鏡のお修理につきましては是非ご相談下さい。

破損した部分には、新たな甲羅から切り出した部材を独自の技法で付けて行きます。
組み合わせる鼈甲の断面を滑らかにしてから、素材を水と熱と圧力をかけて接着剤を使うことなく圧着します。
鼈甲どうしが一体化したら、成形・磨き・仕上げをして修復が完了致します。
残っている鼈甲に新しい鼈甲を丁寧に付けてゆきます。元々の鼈甲の状態や破損の箇所によっては修理が出来ない場合がございますのでご了承下さい。

古い鼈甲は素材の水分が失われていることや枠全体の歪みの大きい場合がありご希望に添えないことがあります。また、お掛けになる方とサイズの合わないものは修理・調整が出来ないこともありますのでご了承下さい。

メンテナンス・修理
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歴史 歴史
歴史
聖徳太子の時代にさかのぼる玳瑁との出会い。江戸時代から継承されてきた鼈甲と文化のかたち。
歴史アロー

古来、玳瑁は貴人を飾る装飾品、祭祀に使用する神具の一部など、貴重品として使われて来ました。
紀元前のものとされる出土品や海中発掘品の中にも玳瑁製品がみられたと記録があります。
海の恵み鼈甲は古代社会においても、海洋交易や貿易の貴重な品々が、人々の手から手へ大切な宝物として、海を渡り広く世界に伝えられました。

歴史

―日本―

飛鳥聖徳太子、小野妹子を隋に遣わしタイマイをもたらす
「玳瑁如意」「玳瑁杖」「螺鈿紫檀五弦琵琶」等が東大寺正倉院の宝庫に所蔵される
奈良奈良・聖武帝の御物として正倉院に御鏡の外箱に鼈甲が使用される
平安菅原道真を祭る道明寺天満宮に「玳瑁装牙櫛」が国宝として所蔵される
鎌倉1192鎌倉八幡宮宝物殿に矢たて、その他にタイマイを使った製品が宝物として現存
江戸1603ポルトガル人の来日により長崎に伝えられ、長崎を中心に鼈甲細工の技術が発達する
1701オランダより鼈甲を船にて輸入、長崎に鼈甲業を始める者が出る
1782江戸においても簪、櫛等が作られるようになったが、高価なため元禄時代には「奢侈禁止令」により、タイマイを鼈甲と称する様になる
明治1877ウミガメ増殖事業開始(東京府)
大正1909イギリス万国博覧会出品、受賞
昭和1918パリ万国博覧会出品、受賞
1982東京都伝統工芸品「江戸鼈甲」の指定を受ける
平成2015日本の伝統工芸品「江戸鼈甲」の指定を受ける
歴史 日本
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伝統工芸 江戸鼈甲 伝統工芸 江戸鼈甲
伝統工芸 江戸鼈甲
江戸鼈甲は「東京の伝統工芸」「日本の伝統工芸品」の指定を受けています。
伝統工芸 江戸鼈甲アロー

江戸鼈甲は日本の伝統工芸

江戸時代にポルトガルから玳瑁が長崎へ入り、日本の職人により櫛や簪等の装飾品、徳川家康が使ったと言われる目器(眼鏡)等の献上品の加工が始まりました。その後玳瑁を加工する技術は日本全国へと伝わり、かつては城下町にそれぞれ鼈甲職人がいたと言われています。

江戸鼈甲は日本の伝統工芸

その美しさと加工性の良さが日本人の心を捉え、玳瑁は鼈甲と名前を変えて愛されて来ました。玳瑁を薄い状態で楽器や箱、家具に張る等の多い外国製品とは違い、自在に厚みをもたせる貼り合わせの技術を発展して行き、作れるものも多岐に渡ります。長崎や上方では技工を凝らした華やかな飾りものの技術が発達し、大型の置物等も作られ職人が腕を競う様に贅を尽くした作品が作られました。

江戸鼈甲は日本の伝統工芸

東京(江戸)においては、シンプルを好む「粋_いき」な美意識に基づいて装飾品の他に、実用品が数多く作られました。鼈甲眼鏡はその代表格と言えるでしょう。使用感の良さから現在まで、鼈甲眼鏡は多くの方にご愛用頂いております。他にも根付、コンパクト、煙草入れやキセル等の日々の愛用品、羽織紐飾りなど、生活を豊かに彩る品々が江戸の鼈甲職人によって作られ、使われて来ました。用の美を尊ぶ、さっぱりとした江戸っ子の好みは、藍色、紺色、江戸紫、灰色、茶などの地味な色合いが粋とされた流行にも表れているようです。

江戸鼈甲は日本の伝統工芸

東京は、現在も鼈甲眼鏡を作る職人が多い地域です。江戸の職人の洗練された技術は現代の東京においても脈々と受け継がれ今日まで伝わっています。「江戸鼈甲」は、1982年に東京都の「伝統工芸」の指定を受けました。そして、2015年には「江戸鼈甲」が、経済産業省指定の「日本の伝統工芸品」とされています。

江戸鼈甲は日本の伝統工芸
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ワシントン条約 ワシントン条約
ワシントン条約
多様性と調和を目指し、サスティナブルユースの理念に賛同しています。
ワシントン条約アロー

日本のワシントン条約
への対応

日本政府は絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)を批准(確認・同意)しました。以来日本政府は、鼈甲(タイマイ)については留保措置を取り、自主的な輸入割当量の制限を実施しました。その後、現在はタイマイの輸出入を停止しています。
※ワシントン条約:野生動植物が国際取引によって過度に利用されることを防ぐための国際条約です。

鼈甲(べっ甲)材料の管理

停止以前に輸入された鼈甲の材料在庫は、その全てが鼈甲業登録業者により保有され、鼈甲業登録業者間のみで流通しております。
登録業者は材料在庫の売買について鼈甲の「国際取引管理制度」に基づき、届け出や登録・管理の義務を負っています。この管理制度は、材料在庫の売買を行う製造業者だけに限定されており、鼈甲製品の売買を行う小売、卸業者、お使いになる方は対象とされておりません。

鼈甲(べっ甲)材料の管理

製品の国内販売について

ワシントン条約は国際取引を規制するものであり、国内での流通を規制していませんので、鼈甲製品の国内販売や使用に問題はございません。
鼈甲細工は「江戸鼈甲」として日本が認める伝統工芸品ですので、これからも伝え、守り続けてゆきたいと考えております。

製品の国内販売について

ワシントン条約の理念
サスティナブルユース「持続可能な利用」

鼈甲業界では、ワシントン条約の理念である「持続可能な利用」をめざして、タイマイの産卵・孵化・飼育・研究を進めております。また、永年にわたり培われてきた貴重な文化である伝統技術の保存・伝承をはかるべく保護・教育活動にも力を入れて努力を続けております。
これからも、自然との共存を掲げ、「持続可能な利用」の考え方に基づく「保護と利用の調和」を目指した活動を続けて行きたいと考えております。

サスティナブルユース「持続可能な利用」

タイマイ製品等の国外持ち出しについて
Warning regarding ivories and
hawksbill turtle shells (bekko)

Japan is a member State of the Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES) and is implementing this convention based on the Foreign Exchange and Foreign Trade Control Law. CITES is not a treaty to control internal trade and as such, it is often permitted in Japan to sell and buy the products subject to CITES under the Japanese law.The Foreign Exchange and Foreign Trade Control Law is also applicable to foreigners who visit Japan and return back to their home countries with souvenirs bought during their stay in Japan. Bringing back to their countries (export) is not permitted in principle. Even though visitors manage to bring back these items to their countries, these items may be subject to the regulations of the countries, thus leading to the confiscation of the items. We claim no responsibility for such confiscation that may occur on your return to your home country.

我が国は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」に加盟し、絶滅のおそれのある動植物の国際取引の規制を外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき実施しております。
タイマイの甲やその製品等については、ワシントン条約により国際取引の規制対象となっております。外為法は、外国に居住される方が旅行等で来日しタイマイの甲やその製品等を購入のうえ出国(帰国)する場合にも適用されます。タイマイの甲やその製品等の日本からの持ち出し(輸出)については、原則として認められておりません。なお、我が国から持ち出し(輸出)ができたとしても、帰国(出国)先の国の法令等で規制されている場合がありますのでご留意ください。

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